二次相続向けの具体的な節税対策を解説!

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夫婦と子がいる家庭において夫が亡くなった場合、その財産は配偶者である妻と子に引き継がれます。これが一次相続です。
その後妻が亡くなると、もともと夫の財産であったものも含めてすべて子に引き継がれるようになります。こちらが二次相続です。

そして取得財産の価額が大きい場合には相続税がかかることになりますが、納付額を下げたいのであれば、一次相続の段階において二次相続対策をすることが大切になります。
以下ではその具体的な節税対策を解説していきます。

親子で同居、もしくは二世帯住宅にする

二次相続で問題になるのは配偶者控除が使えないということです。
配偶者控除では実質すべての取得財産を非課税にできるケースが多いですが、その控除に頼り過ぎると二次相続で子にかかる税負担が大きくなりすぎるのです。
そのため一次相続時に、良いバランスで子と配偶者で遺産分割をすることが重要になります。

また、配偶者控除に並んで効果の大きな控除制度が「小規模宅地等の特例」です。
これを適用させることができれば、自宅の敷地に関して最大80%も控除を受けることが可能となります。

例えば同居している子がおり当該制度が使えるとするなら、配偶者は一次相続において土地を取得せず、子が取得しておいたほうが節税できる可能性は高いです。

ただ注意が必要なのは、適用を受けるためには「同居していなければならない」という条件の存在です。
子が自立しており、被相続人の自宅とは別に住所を持っている場合には適用させられない可能性が高くなります。
ただ、要件を満たす二世帯住宅であればここでの同居として扱ってもらえるため、もしも将来的に二世帯住宅も検討しているのであれば、節税対策も視野に入れて計画的に話を進めると良いでしょう。
区分所有として登記されてしまうと適用できなくなってしまいますが、構造上の区分、例えば居住スペースが分離されていることに関しては問題ないことが多いため、工事をする前にしっかりと専門家のアドバイスを受けておくようにしましょう。

生前贈与で非課税に

生前贈与は相続一般で有効とされる節税対策です。
二次相続においても有効です。

ただし注意点が2点あります。

  1. 贈与税がかからない範囲で行うこと
  2. 相続の直前にした贈与は対策にならない

贈与の額は年間110万円以内に抑えなければなりません。相続税がかからなくても贈与税がかかってしまい対策の意味がなくなってしまうからです。
そのため財産が多い場合には長期的に少しずつ贈与を行うと良いでしょう。

また「生前贈与加算の制度」もあるため、相続の直前、具体的には3年以内にした贈与に関しては意味がなくなってしまいます。
あまりに直前の贈与は、相続税から逃れるためにしたものとして、結局相続税の計算に含まれてしまうのです。
そのためいずれの観点から言っても、計画的に、早めに生前贈与をしておくことが大切であると言えるでしょう。

養子縁組で法定相続人を増やす

二次相続では一次相続に比べて法定相続人が減るため、結果として基礎控除額が減るという問題もあります。
そのため課税額が増えてしまいます。

この部分に関しては、養子縁組をすることで対策できます。
ただし実子がいる場合、養子縁組によって子を増やしたとしても、基礎控除の計算上法定相続人として含めることができる養子は1人までと定められています。
つまり、養子縁組を大量に行い全額非課税にするといったやり方は認められません。

生命保険に加入する

生命保険に加入すると、将来の相続財産から保険料を支払うことになり、その契約内容に応じた額が死亡後に返ってくるため、節税対策として有効と言えます。

ただし一定額以上は保険金も「みなし相続財産」となってしまうため、無限に非課税にできるものではないということに注意が必要です。