生前贈与で相続税の負担を減らせる!節税効果について紹介



相続税は、相続財産が多く残っているほど、多く課税されます。

つまり、事前に贈与をして相続財産を減らすことができれば、相続税の負担は小さく抑えることができます。しかし何も考えず贈与をしても節税することはできませんので、仕組みを良く理解して取り組む必要があります。

 

生前贈与とは

よく相続対策の手段として「生前贈与」が紹介されていますが、これは単なる「贈与」と違いはありません。

「生前にする(相続前にする)贈与」というニュアンスでこの言葉を使っているのであって、適用されるルールなどは一般的な贈与契約と同じです。

 

生前贈与には贈与税がかかることに注意

冒頭で「贈与で財産を減らしておけば相続税を小さくできる」と説明しました。これはその通りですが、相続税の代わりに贈与税が発生することを忘れてはいけません。

しかも、贈与税相続税を補完する役割を持つ税であって、仕組みが似ている上に税負担は相続税より大きくなる傾向にあります。

 

そこで何ら対策を取らずに大きな財産を与えてしまうと、相続を待つよりも大きな税負担が発生してしまうのです。そこで生前贈与による節税効果を狙う場合、「どうすれば贈与税の負担を小さくして贈与ができるだろうか」ということを考えなくてはなりません。

 

基礎控除を使った生前贈与で節税ができる

生前贈与によるもっとも基本的な方法が「基礎控除の有効活用」です。

 

贈与税については110万円の基礎控除が適用可能ですので、1年間に受けた贈与財産の価額が110万円以内であれば、非課税で財産を受け取ることができます。

 

そこで少しずつ贈与を繰り返していけば、一切の課税を回避して財産を移転させられます。

 

ただし、「生前贈与加算」というルールには注意しましょう。相続税のルール上、「相続直前に行われた贈与については相続税の計算に含める」という運用がなされています。

 

特例を使った生前贈与による節税方法

基礎控除を活用だけだと得られる節税効果は限定的です。そこで特定の条件を満たせる場合には特例も使いましょう。

 

例えば「配偶者控除」です。

夫婦間で不動産を贈与するときは、最大2,000万円もの控除が適用させられます。

 

また、配偶者でなくても子どもや孫などを受贈者とし、その方が18歳以上であれば、「住宅取得等資金の贈与の特例」が使えます。自宅を購入するための資金を贈与する場合、最大1,000万円まで非課税で贈与をすることができます。

 

他にも、結婚資金や子育て資金、教育資金など、特定の目的でする贈与であって当事者の条件を満たすときは、1,000万円を超える贈与が非課税にできることもあります。

不動産の相続税を調べる方法や評価額の計算方法について



遺産分割や相続税の申告においてよく問題となる財産が「不動産」です。亡くなった方が土地や建物を所有していたというとき、相続人となる方は注意深く手続を進めていかなくてはなりません。とりわけ土地は相続税の負担を大きく左右する要因となりますので、しっかりと調査しておかなければなりません。

 

まずは不動産についての調査が必要

相続が開始されたとき、相続人のことや遺産のことについて把握をしないといけません。

 

遺産の調査においては不動産を調べることが特に重要です。価値が大きな財産は遺産分割協議で争点となりやすいですし、相続税の負担を大きくする可能性が高いためです。

 

そこで「固定資産税の納税通知書」や「固定資産評価証明書」、「登記事項証明書」「名寄帳」などと収集していきましょう。亡くなった方の自宅、あるいは役所などへ行ってこれらの書類を集めていきます。

 

公図および地積測量図なども準備できていると詳しい調査が進めやすくなります。

 

相続税の評価額を調べる

相続対象になっている土地や建物が明らかになれば、それらの相続税評価額を調べていきます。このときの評価額は、市場価格とは異なります。「路線価方式」や「倍率方式」といった、特定の計算方法に基づいて算出されます。

 

国税庁のホームページを確認し、相続する土地に「路線価」が付されているときは路線価方式を使って計算しましょう。路線価とはある道路に接した単位当たりの評価額ですので、設定された路線価に地積を掛け算することで全体としての評価額を調べられます。

※厳密には土地の形状に応じた補正も加える必要がある。

 

そしてこの路線価が設定されていないその他の土地については倍率方式で計算します。固定資産税評価額を基に、一定の「倍率」を掛け算して評価額を調べるのです。なお、この倍率はほとんどの場合「1.1」と定められています。倍率についても国税庁のホームページで調べることが可能です。

 

家屋については評価額を調べるのに難しい作業は必要ありません。固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。

 

相続税は全財産の価額を合計して計算する

相続税は、財産単位で課税されるわけではありません。そのため「土地Aには相続税500万円」「家屋Bには相続税100万円」「預貯金には相続税200万円」などと一つひとつ算出する必要はありません。

 

不動産も含むすべての財産の相続税評価額を調べて、それらをまずは合計します。その後基礎控除を適用するなどの計算過程を経て「相続税の総額」を算出。

最後に「相続税の総額」を財産の取得割合に応じて分割し、相続人個別の納税額が明らかとなります。

現金を相続することのメリットや相続税負担のデメリットについて



相続税は、様々な種類の財産に対して課税されます。現金についても当然に課税されます。相続税の計算に漏れのないように含めて、正確な税額を算出するよう気を付けましょう。ここで現金を相続するときの相続税について解説します。

 

現金の相続は手間少なくて使い勝手も良い

現金の相続は、相続人にとってメリットでもあります。

 

1つは「遺産分割がしやすい」という点です。

 

1円単位で平等に分割することができ、家族間で利益バランスが崩れて揉めるといった事態を防ぎやすくなります。不動産やその他分割が難しい財産だと、財産単位で分割したときにどうしても利益のバランスを取るのが難しいのです。

 

また、「遺族の生活資金として使える」というメリットもあります。

 

不動産があると居住するなどの方法で活用ができますが、現金化するには手間がかかります。生活費に悩んでいる方からすると、手元に現金がないことで困る場面にも直面します。

 

さらに、「相続税の納税資金として使える」というメリットも得られます。

 

税金の納付は現金が原則です。もし相続財産が物だけだとすれば、納税者自身が持っている現金を使って納付をしないといけません。しかし現金の相続であれば相続財産を使ってそのまま納付できるため、現金の負担を回避することができるのです。

 

現金は相続税の負担が大きくなりやすい

上に挙げた通り、現金を相続することには数々のメリットがありますが、デメリットもあります。もっとも大きなデメリットが「相続税の節税が難しい」ということです。

 

例えば不動産の相続であれば特例や控除の仕組みが比較的充実しており、本来の価値から大幅に相続税評価額を下げられることも多いです。もし1億円で購入した不動産がある場合、まず、購入した時点で価値が下がります。さらに特例などを使えば購入金額の半分以下で相続税の計算をできることもあります。

 

一方で現金1億円を相続したとき、もちろん、1億円という額面をそのまま使って相続税の計算を行わなければなりません。結果的に納めるべき税額に数十万円、数百万円もの差が生じることもあります。

 

現金の申告漏れには要注意

不動産や自動車、預貯金、株式などは登録制度があったり取引内容が記録として残されたりしています。

 

しかし現金は手渡すだけで所有権が移転するため、履歴が残りません。その結果、亡くなった方がどれだけ現金を持っているのか、それがどこにあるのかを調べるのが難しいという特徴も持ちます。

 

あとになって「タンスの奥から現金が出てきた」ということのないよう、相続税の申告前に亡くなった方の自宅はよく調べておきましょう。

相続税の申告後は税務調査に注意!



相続税は相続人が自主的に行った申告内容に基づいて納める仕組みになっています。しかし自主申告をチェックする仕組みがなければ不正が横行してしまうおそれがありますので、「税務調査」も実施されています。

 

税務調査とは

税務調査は、納税者による申告内容について間違いがないかどうかをチェックするための作業です。税務署の調査官が納税者のもとへとやってきて、各種資料などから正しい申告ができていることを確認します。

 

所得税相続税など様々な税に関してこの税務調査は行われています。

 

税務調査の進め方にもパターンがいくつかあり、例えば突然自宅に調査官が押しかけてくる強制調査があります。一方で、前もって連絡を行った上で自宅にやってくる任意調査というパターンもあります。

 

事前の連絡によって証拠を隠されるなど特別の事情がなければ、通常は任意調査として実施されます。ただし「任意」調査とはいえ、実質、自由に調査を断れるわけではありません。

 

相続税についての税務調査は毎年数千件実施されている

税務調査は必ず受けるものではありません。大半のケースにおいては実施されておらず、申告・納付で相続税の手続は終了します。

 

しかし申告内容に明らかな異常がある場合や疑わしい点が含まれているときは、税務署に目を付けられて調査を受けることとなります。

 

実際、相続税だけに着目しても毎年数千件もの税務調査が行われています。国税庁の統計情報によれば、2021年や2022年においては6,000~8,000件ほど1年間で税務調査が行われていると示されています。

 

申告内容のミスがあると追加で税額を徴収される

税務調査でミスを指摘されたとき、「今後気をつけてください」と注意されるだけでは済みません。

 

少なく申告・納付をしてしまっていたときは、差額の相続税を納めることはもちろん、本来の申告期限に間に合わなかったことや故意で申告しなかったことなどへのペナルティとして、加算税が徴収されてしまいます。

 

この追徴税額だけでも毎年500億円以上に上ります。

 

そのため「自主申告だし、多少低く見積もって計算してもバレないだろう」などと考えて相続税の手続に取り組んではいけません。様々な資産情報から調査をされて、不正を指摘されてしまいます。

 

特に多額の遺産を相続したケースでは税務調査が入る確率が高くなります。この場合は怪しまれているというよりも、申告ミスによる影響が大きいことが理由と考えられます。少しの計算ミスが最終的な税額に大きく影響してきますので、税務署としても調査に入るコスパが良いのです。

口座が凍結したときの対処法とは?家族信託などの対策を紹介

 

 

銀行などで口座を開設している方は多くいらっしゃると思います。その名義人が亡くなったり、認知症になったりすることで、口座が凍結してしまうことがあります。
凍結してしまうと入出金ができなくなり、相続人などは困ることになるでしょう。そこで以下の対策を検討してみましょう。

 

対策1:家族信託の活用


家族信託」を利用することで、口座の悪用などのリスクを回避しつつ、口座凍結を防ぐことができます。

家族信託は、信託の一種で、そのうち家族間で行う信託のことを指します。
財産を信託財産として家族に委ね、その管理や運用を任せる契約を結ぶことで始められます。

委託者、受託者、受益者の3者が関わる場合もありますが、多くの場合、委託者が同時に受益者になることが一般的です。
例えば、加齢により将来の判断能力に不安を抱えた委託者が、子どもに受託者になってもらい、生きている間は財産から生活費等を支出してもらう、といった形で家族信託を行うケースがあります。

家族信託を設立することで、委託者が認知症になったり亡くなったりしても、口座凍結を回避することができます。なぜなら、その時点で当該口座はすでに委託者のものではなくなっているからです。

 

対策2:成年後見制度の活用


成年後見制度」を利用することも、口座凍結への対策として有効です。
成年後見制度とは、判断能力が不十分な人をサポートする制度であり、後見人が支援することで、本人の権利・財産を法的に守ります。

成年後見制度であれば本人が認知症になったあと、事後的に申し立てることができます。そのため家族信託を契約できなかった場合にも有効です。

ただし、成年後見制度は財産を増やすための運用には向いておらず、「保護」や「財産の維持」といった消極的な側面が強いことに留意する必要があります。

 

家族信託で口座凍結のリスクを回避する方法


家族信託は事前の対策としてとても有効です。しかりあまり馴染みのない仕組みですので、簡単にその流れを説明します。

まずは「信託契約を交わす」ことから始めます。
当事者間、つまり口座の名義人と、その口座の管理・運用を任せる受託者が信託についての約束を交わします。

契約が成立すれば、「委託者の口座から預金を引き出す」ことになります。
口座の名義人をそのままトレースすることはできませんので、いったん預金を引き出して、新たな信託用の口座に入れる必要があります。

そこで「信託口口座の開設」も行います。
信託専用の口座を作りたい旨を金融機関に伝え、これに応じてくれるところで開設をしましょう。

「信託口口座に入金」をすれば完了です。
その後受託者が契約内容に従って、適切に管理・運用をしていくことになります。

 

家族信託はどの専門家に相談するべき?

家族信託をご自身1人で対応するのは難易度が高いです。法的な専門性が高く、専門家の力を借りて対応するのが一般的です。当記事ではその専門家について紹介します。

弁護士

あらゆる法律問題に対応できる万能の専門家が「弁護士」です。

弁護士に相談をしておけば、その相談事項に関して他人とトラブルが起こっても訴訟対応まで一貫して任せることができます。特定の法律相談であれば他の専門家でも部分的に対応することができますが、訴訟代理人として制限なく活動できるのは弁護士だけです。

そのため揉めそうな場面では弁護士を選択すべきでしょう。

ただしコストが比較的高くなりやすい点には注意が必要です。同じ作業範囲を依頼するにしても高いコストがかかるケースが多いです。また、弁護士だからといって家族信託について他の専門家より詳しいとも限りません。

司法書士

司法書士」は、弁護士と並ぶ法律関連の実務家です。

家族信託に関する相談、契約書の作成など、広く対応することができます。また、登記のプロという側面も持ちますので、信託財産に不動産が含まれているときは司法書士に依頼するのが適しているといえます。

法的には弁護士も登記を行うことは可能ですが、あまり対応している弁護士はおらず、登記に関しては司法書士が登場することが多いです。

行政書士

行政書士」も司法書士のように法律関連の実務家で、特に手続上必要になる書面作成などを対応業務としています。

訴訟対応、利害関係者との交渉代理などはできず、できることには限りがあるものの、トラブルの発生が想定されていないような場面では行政書士にも十分な業務を依頼することが可能です。

例えば信託契約書の作成や、信託契約の設計の相談などができます。そして弁護士や司法書士に比べてコストの負担が小さいというメリットもあります。

税理士

税金のこと、お金のことは「税理士」にも相談できます。

家族信託では税金の課税も発生するケースがあるため、税金の負担や節税対策のことについては税理士に相談すると良いでしょう。

ファイナンシャルプランナー

家族信託は財産の取扱いに関する契約形態の1種ですので、お金の取扱いに詳しい「ファイナンシャルプランナー」に相談するのも1つの手です。

上記の専門家のように法律上の特別な権限は与えられていませんが、資産運用に関する様々な知見を共有してもらうことができ、家族信託の最適な組み方、その他の手段の検討など、幅広い視点からアドバイスをもらうことが期待できます。


他の専門家にもいえることですが、資格や肩書だけで判断するのではなく、その相談先の方が家族信託に強いことが重要です。その点に着目して依頼先を選定するようにしましょう。

口座凍結問題について!どんなときに凍結は起こる?

 

 

金融機関で口座を作っていても、その口座が凍結してしまい、使えなくなることがあります。その結果、名義人の家族や相続人などが困ることも出てきます。具体的にどのような場合に口座凍結は起こるのでしょうか。ここで解説します。

 

名義人が認知症になった:口座凍結が起こるケース1


認知症になるなど、口座の名義人の判断能力がなくなったと評価されたとき、口座凍結が起こる可能性があります。

判断能力がなくなった、あるいは著しくその能力が衰えた、という場合には単独で法律行為が行えなくなるからです。

金融機関との取引、つまり口座からの引き落としなどについても同様です。
詐欺被害などに遭うリスクもありますので、多くの場合、判断能力を欠いたという事実を金融機関が知ると、口座凍結されてしまいます。

 

ただ、重要なのは口座を使った行為に関して「判断能力を欠いた」あるいは「判断能力が衰えた」という点にあります。
そのため「認知症になった」という事実が、イコール口座凍結に結びつくとは限りません。認知症にも軽度・重度など程度があります。軽度の認知症である場合は凍結しない可能性もあります。

また、重度の認知症であっても、診断結果が病院から金融機関に勝手に通知されるわけではありません。

 

名義人が亡くなった:口座凍結が起こるケース2


口座の名義人が亡くなったときにも口座凍結は起こります。

ただし、口座凍結は自動的に行われるわけではなく、金融機関が名義人の死亡を知るまでは口座は使用可能な状態にあります。

 

しかしながら、口座凍結されていない状態で放置すると、一部の相続人や親族により不当な出金が行われる可能性があります。そのため、口座凍結を回避しようとするのではなく、別の手段で出金できないかどうか検討することが重要です。

なお、口座凍結後は、相続人たちは遺産分割協議を行い、誰が預貯金を取得するかを決定した上で、金融機関で手続きを行います。最近の民法改正により、一部の場合は遺産分割前に引き出すこともできるようになっています。

 

口座凍結による問題


口座凍結が起こるとどのような点で困るのでしょうか。具体的には次のような問題が起こると言われています。

「名義人の相続人や親族も出金ができなくなる」
水道光熱費やローンの返済、クレジットカードなどの引き落としができなくなる」

振り込みや引き出しができなくなることで、名義人の相続人やその関係者なども困ることが多数出てきてしまいます。
口座凍結で困ったときは、早急に専門家に相談し、どのように対処すべきかアドバイスをもらうようにしましょう。

 

遺産分割協議書を作成するメリットやデメリットとは?

 

 

相続手続の1つに「遺産分割協議」があります。遺産を誰が取得するのかを話し合うことを指します。そしてこの協議に際して作成されるのが「遺産分割協議書」です。
これを作成することにどんな意味があるのでしょうか。ここでメリット・デメリットを紹介しますので参考にしていただければと思います。

 

遺産分割協議書を作成するメリットについて


遺産分割協議書を作成することで、遺産分割の内容を正確に記録できるようになります。これはメリットの1つといえます。

遺産には様々な種類の財産が含まれており、それらを細かく分けていく場合には情報が錯綜し、誰が何を取得したのかがわかりにくくなるおそれがありますので、正確に記録する必要性があるのです。

遺産分割協議書を作成することで、誰がどの財産をどのように引き受けたのか、どのように分割したのかといった情報が明確になります。

 

さらに、遺産分割協議書は、争いを解決する証拠としての役割も果たします。
遺産の帰属先を明らかにすることで、後々「その財産は私が取得したものだ」「そんな話し合いはしていない」といった揉め事を回避しやすくなります。

訴訟に発展した場合にも、遺産分割協議書を証拠として活用することで、迅速に解決することができます。

 

さらに、遺産分割協議書を作成することで、各種相続手続きがスムーズに進むようになる、というメリットも得られます。

例えば遺産分割協議により取得した財産の中には、その後名義変更手続を要するものもあります。


例えば不動産を取得したとき、名義変更として登記申請を行います。このような手続きにおいて、遺産分割協議書は、取得財産の内容を明確にし、各種手続きを円滑に進めるための重要な資料となります。

 

遺産分割協議書を作成するデメリットについて


デメリットの1つは「作成に手間がかかる」という点です。

遺産分割協議書の作成には、「氏名」「本籍」「住所」「亡くなった日」などの情報、その他相続人に関する情報や分割内容などをまとめないといけません。

「専門家に依頼するときにコストがかかる」というデメリットもあります。
遺産分割協議書の作成には専門知識が必要で、司法書士行政書士、弁護士などの専門家に依頼するのが一般的です。


しかし、依頼するときに数万円以上のコストが発生します。費用対効果を考慮すれば大きなデメリットとも言えますが、費用の負担がかかるということは覚えておく必要があるでしょう。

 

デメリットもあるが遺産分割協議書は作成しておくべき


メリット・デメリットを挙げましたが、ほぼすべてのシチュエーションで“遺産分割協議書は作成すべきものである”と言えます。

作成しないことのリスクが大きく、それに対する作成のデメリットが釣り合っていないからです。
作成できていないことで、後々大きなトラブルに発展する可能性もあります。これを防ぐためにも、必ず作成するようにしましょう。

 

遺言書の種類別にメリット・デメリットを紹介!

 

 

遺言書にはいくつかの種類があります。それぞれ作成方法が異なり、メリットやデメリットも異なっています。
「遺言書の種類について知りたい」「各遺言書にどんな違いがあるのか知りたい」という方はぜひ参考にしてください。

 

自筆証書遺言のメリットとデメリット


自筆証書遺言には、次のようなメリットがあります。

まず、自分自身で簡単に作成することができるため、専門家に依頼する必要がありません。作成に伴う費用もほとんどかかりません。
さらに、遺言書の内容や存在を秘密にすることができます。

 

一方で、自筆証書遺言には、以下のようなデメリットが存在します。

まず、不備がある場合、遺言書が無効になってしまうリスクがあります。
また、作成後に紛失や改ざんなどのリスクがあるため、遺言書の保管には十分な注意が必要です。
さらに、遺言書が見つからない場合、遺言者の意図と異なる相続が行われる可能性があります。

遺言書の有効性を確認するために検認手続が必要であるという点もネックです。

 

遺言書の有効性を確認するためには、検認手続が必要ですが、法務局で実施している保管制度を利用することで、紛失や改ざん、未発見のリスクを軽減することができます。

 

公正証書遺言のメリットとデメリット


公正証書遺言には、以下のようなメリットがあります。

まず、適切な形式で遺言書を作成できるため、遺言書の有効性に関するリスクが少なくなります。
また、遺言書の存在が公証人によって証明されるため、遺言書の存在を周囲に知らせることもできます。


さらには、遺言書の保管についても遺言者自身が行う必要がなく、安心して任せることができます。検認手続が不要ですし、相続人にとっては手続の煩雑がない点がメリットにもなります。

 

ただし、公正証書遺言には以下のようなデメリットもあります。

まず、証人が存在するため、証人から遺言内容が漏れるリスクがあります。

遺言書の存在を隠すことができないため、周囲に知られたくない場合には不向きです。
さらに、公正証書遺言の作成には費用がかかりますし、遺言者にかかる手間も大きいです。

 

秘密証書遺言のメリットとデメリット

秘密証書遺言には、以下のようなメリットがあります。

まず、遺言の“内容”を誰にも知られずに作成ができるという点が挙げられます。
また、自書が必須ではないため、パソコンで手軽に作成することも可能です。
公証人に対する費用が少ないとも利点といえるでしょう。

 

一方、秘密証書遺言には、以下のようなデメリットがあります。

まず、公証人役場での手続きが必要であり、証人を2人同席させないといけない点が挙げられます。
遺言書が発見されないというリスクもあります。


また、遺言書の内容は知られないものの、遺言書の“存在”については知られてしまう可能性があります。ご自身が遺言書を作ったこと自体も知られなくない方には、不向きといえます。

 

不動産相続によるトラブルを防ぐポイント!対策内容を紹介

 

 

不動産相続では、相続税の負担が大きくなりやすいですし、相続人間で平等な遺産分割をするのも難しくなってしまいます。取り合いになりも揉めることもあるでしょう。


相続をきっかけに家族仲・親族仲が悪くなるおそれもありますので、できるだけトラブルが起こらないように対策を練る必要があります。

 

ここで「不動産相続におけるトラブルを防ぐポイント」を紹介しますので参考にしてください。

 

生前の家族会議


事前によく話し合っておくことでトラブルを防げることもあります。


不動産の所有者も交えて話し合うことで、不動産の将来的な所有者についての納得も得られやすいです。

不満のある内容であっても、相続開始前から認識しておくことで揉めるリスクを下げることができます。

 

また、不動産を取得する人物としてはあらかじめ自分が取得するものと認識しておくことで様々な準備が進められます。

評価額を調べておけば、おおよその相続税も把握できますので、税負担への備えができます。

 

遺言書の作成


遺言書で不動産の取得者を指定しておけば、取得をめぐる争いも防げます。

遺言内容には法的な拘束力も生じますので、一部の相続人が「納得できない」といってもその主張を退けることができます。

 

ただし法令に則って適切に遺言書は作成されなければいけません。

間違った方式で作成していると、「その遺言書は無効だ」との主張をされてしまうことのリスクが高まります。

法律の専門家のサポートを受けて、ミスのないように遺言書は作成しましょう。

 

不動産を売っておく


相続が開始する前の時点では、不動産の所有者がどう扱おうが自由です。

そのため不動産をめぐるトラブルが予想されるとき、これを売却しておくのも一つの手です。

売却して現金化しておけば、平等に分割することができますし、相続人にかかる手続の手間なども削減することができます。

 

ただし、不動産の場合に適用できる税制上の特例が利用できず、税負担が増す可能性もあります。税理士に相談して売却をすべきかどうかの検討を進めましょう。

 

現金や預貯金を備えておく


不動産が唯一の遺産、あるいは不動産が遺産総額の大半を占めていると、遺産分割でトラブルが起こりやすいです。

 

そこで売却をするのを避けたいときは、被相続人となる方が現金や預貯金など分割しやすい財産も多めに残しておくよう努めましょう。


現金等が多く残っていれば、平等な遺産分割が実現されます。

また、相続税の納税にも耐えることができ、泣く泣く不動産を売却するという事態も避けやすくなります。

その他対策については、様々な専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。