相続税の申告後は税務調査に注意!



相続税は相続人が自主的に行った申告内容に基づいて納める仕組みになっています。しかし自主申告をチェックする仕組みがなければ不正が横行してしまうおそれがありますので、「税務調査」も実施されています。

 

税務調査とは

税務調査は、納税者による申告内容について間違いがないかどうかをチェックするための作業です。税務署の調査官が納税者のもとへとやってきて、各種資料などから正しい申告ができていることを確認します。

 

所得税相続税など様々な税に関してこの税務調査は行われています。

 

税務調査の進め方にもパターンがいくつかあり、例えば突然自宅に調査官が押しかけてくる強制調査があります。一方で、前もって連絡を行った上で自宅にやってくる任意調査というパターンもあります。

 

事前の連絡によって証拠を隠されるなど特別の事情がなければ、通常は任意調査として実施されます。ただし「任意」調査とはいえ、実質、自由に調査を断れるわけではありません。

 

相続税についての税務調査は毎年数千件実施されている

税務調査は必ず受けるものではありません。大半のケースにおいては実施されておらず、申告・納付で相続税の手続は終了します。

 

しかし申告内容に明らかな異常がある場合や疑わしい点が含まれているときは、税務署に目を付けられて調査を受けることとなります。

 

実際、相続税だけに着目しても毎年数千件もの税務調査が行われています。国税庁の統計情報によれば、2021年や2022年においては6,000~8,000件ほど1年間で税務調査が行われていると示されています。

 

申告内容のミスがあると追加で税額を徴収される

税務調査でミスを指摘されたとき、「今後気をつけてください」と注意されるだけでは済みません。

 

少なく申告・納付をしてしまっていたときは、差額の相続税を納めることはもちろん、本来の申告期限に間に合わなかったことや故意で申告しなかったことなどへのペナルティとして、加算税が徴収されてしまいます。

 

この追徴税額だけでも毎年500億円以上に上ります。

 

そのため「自主申告だし、多少低く見積もって計算してもバレないだろう」などと考えて相続税の手続に取り組んではいけません。様々な資産情報から調査をされて、不正を指摘されてしまいます。

 

特に多額の遺産を相続したケースでは税務調査が入る確率が高くなります。この場合は怪しまれているというよりも、申告ミスによる影響が大きいことが理由と考えられます。少しの計算ミスが最終的な税額に大きく影響してきますので、税務署としても調査に入るコスパが良いのです。