相続問題で取沙汰されることが多い話題の一つに「遺言」があります。
遺言が残されているのかどうか、遺言がある場合にはどのような内容なのか、残された相続人としては非常に重要な関心事と言えます。
ここではそんな遺言の一種である「自筆証書遺言」について紹介します。
遺言に種類があることを知らなかったという方も、ここで様々な種類があるということを理解しておきましょう。
自筆証書遺言は普通方式遺言の一つ
遺言には「普通方式」と呼ばれるタイプと、「特別方式」と呼ばれるタイプがあります。
その名称から予想される通り、特別方式よりも普通方式の方が利用する機会は多いです。そのため、伝染病を患っている方や業務などで船舶をよく利用するという方以外は、普通方式の遺言に絞って知識を持っておくと十分です。
自筆証書遺言に関しても普通方式遺言の一種で、さらにその中でも最も一般的な遺言の書き方と言えます。
他には「公正証書遺言」や「秘密証書遺言」などがあり、自身の財産の行方を指定したい方はいずれの種類を選択することもできますし、正しく記載できていれば同じ効果を得ることはできます。
そのため、被相続人となる方が望む効果の内容に応じて選択肢が限られるわけではないということ、好きな書き方が選べるということは理解しておきましょう。
自筆証書遺言の一番の特徴は「全文の自筆」
自筆証書遺言を有効に成立させるには、「全文の自筆」が必要です。
「自筆」証書遺言という名称の通り、自分の手で書き記していかなければなりません。
なお、手元がおぼつかず、上手く自筆できないという状況もあるかもしれません。
このような場合に他人が手を添えることまで禁止されているわけではありません。
ただし、将来的に利害関係を持つ相続人が遺言作成に関わっていると後々トラブルになる可能性が出てきますので要注意です。
その他の要件としては、「作成日付の記載」「本人の氏名の自署と押印」が求められています。
日付の書き方に関しては、客観的に見て、いつ作成されたのかが特定できれば足ります。
氏名に添える押印に関してもあまり厳格に捉える必要はなく、認印であっても遺言が無効になるということはありません。
しかしながら、やはりこの点もトラブルを防止するという観点からは実印などを用いたほうが無難と言えるでしょう。
自筆証書遺言の作成はプロのアドバイスを参考にしよう
自筆証書遺言は、公正証書遺言と違い、自分一人で作成することが可能です。
しかし、法律に則った正しい書き方ができていなければ結局相続人やその他の者との間でトラブルになってしまう可能性があります。
こうした事態を防ぐためにも、遺言の作成に強い専門家のアドバイスを受けつつ作成を進めていくようにしましょう。